30年子ども連句会 平成30年8月10日
半歌仙「あぶら蝉」の巻
捌 勝又 丘女
そよ風の葉音打ち消すあぶら蝉 窪田 浩晃
肌に染み入るお絞りの涼 井上 輝夫
リビングの定座の猫と目が合いて 平澤 千恵
手入れよろしき松の盆栽 勝又 丘女
もう一杯どうぞどうぞと月見酒 浩晃
川面にキラリ跳ねる落鮎 輝夫
芸術祭筆をふるいて紙の山 千恵
隣の君がちょっと気になり 丘女
映画館気持ちを込めて手を重ね 輝夫
内ポケットに指輪忍ばせ 浩晃
ポケモンを追うて現る人の波 丘女
マルチな技で魅せる大谷 千恵
月冴えて昇進祝うレストラン 輝夫
夢を抱きて霜柱踏む 浩晃
大神に核なき世界祈れども 丘女
宿す生命につのるいとしさ 千恵
花吹雪笑顔と拍手に送られて 浩晃
逞しき子ら山笑う里 輝夫
起首 平成三十年八月十日
於 桃園集会所
座名 「二番」
半歌仙「夏休み」の巻 捌 宮澤次男
夏休みもうすぐおわり学校だ 宮﨑明日香
昆虫採集まだ未完成 佐野由美子
厨よりピザの匂いの拡がりて 宮澤 次男
いつのまにやらワイン片手に 鴻巣 洋子
縁側に猫も見ている望の月 由美子
風もないのに紅葉ちりゆく 明日香
ハロウィンにおもいおもいの化粧して 洋子
DJポリス渋谷駅前 次男
はじめてのキス四才のすべりだい 明日香
セピア色した写真長押に 由美子
いつ帰る拉致の家族に遠き日々 次男
世界平和を祈る寒月 洋子
晴れやかに雪の衣の芙蓉峰 由美子
おおワンダフル青き目のひと 明日香
地図と夢バックパックに詰め込んで 洋子
鐘は朧に辿る畦道 由美子
大川を上り下りの花見船 次男
ばあば手作り草もちの味 執筆
平成三十年八月十日 首尾 於 裾野市桃園公民館
半歌仙「浦島草」の巻 土屋 日菜 捌
林道の出口にいざよう浦島草 桃井伴子
炭酸水が喉にしみ入る 藤江真理
しっぽ振る愛犬の待つ門先に 藤田 香
夕餉も取らずゲーム熱中 土屋日菜
梶の葉に願いを込めて夜を明かす 真理
白む家並を渡る残月 伴子
彼岸花今を盛りと庭に咲く 香
一両列車で向かう故郷 日菜
初恋のあの人今もナイスガイ 香
伝えようかなあの日の想い 真理
ピッコロを奏でる君は眩しくて 真理
モデルに変身女子アスリート 日菜
神無月十月生まれのカンナちゃん 香
祖父の自慢の鰭酒振る舞う 伴子
東京はどこへ行ってもヒトヒトヒト 香
紛争の地へ看護師として 伴子
花吹雪旅立つ子等の幸願う 真理
野菜畑に黄蝶白蝶 日菜